スタニスラフスキィの遺産 俳優修業の友・バックナンバー 251〜

20/01/16配信 251号
俳優技術は、俳優の心理的本性および身体的本性の発達と仕上げを指向している。
それはシステムで述べられている、あらゆる内的及び外的要素と精神技術の方法を含んでいる。
これらを全て習得することは、戯曲の虚構の状況の中でほんとうの、合理的な、有機的行動を行う能力へと俳優を導き、役の『人間精神の生活』を芸術的に表現豊かな形式に具象化することになる。
そのために極めて重要なことは、行動の本当の有機的過程を職人俳優的な技巧のトリックや偽のパトスといった描写から誤りなく識別できるような、研ぎ澄まされた真実感を俳優の中に養うことである。
(構成)


20/02/28配信 252号
俳優技術は、俳優の本性が自ずから創造過程の中に巻き込まれるような段階まで到達しなければならない。
役を演ずる瞬間の俳優は、もはや注意・交感・論理と一貫性・信頼と真実の感覚といった、また筋肉の緩和・呼吸・物言い・プラースチカといった要素や技術を考えるべきではない。
俳優の自己訓練の仕事の根底には、俳優技術の意識的習得から無意識的活用へという原則が横たわっている。
こうなってのみ、彼は創造の主たる目的、すなわち超目標とそこへ導く貫通行動線に集中出来るのである。
システムは、俳優の頭の中にではなく、肉体の記憶の中にあらねばならぬ。
(構成)


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