Legacy of Stanislavski Laboratory

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−[タ]−
 

【正しく演じる】

演技者が実際に演技をする瞬間に、人間の本来持っている創造的状態を維持し、役及び戯曲をその上演の要求する形態(与えられた環境)に合わせて演じること。又、その目的の為にとられる、意識的な役及び戯曲への接し方と準備の仕方。
正しく演じ、そしてそれを習慣とすることこそが、システムの主要目的の一つでもあります。
俳優修業では、
正しく演じるとは、間違いがなく、論理的で、一貫しているということ、役に合わせて考え、努め、行動する、ということだ。
と説明しています。
そして、そういう過程を辿ることによって、間接的に【潜在意識的創造】に近づくべきである、と説いています。

◆関連バックナンバー:03/08/12配信 012号 等

【単位】

戯曲全体や俳優の演技(芝居全体を貫く一貫した行動)を一遍に把握する事は不可能なので、取り扱いやすい形に分割してそれぞれを研究し、把握し、その後に再び全体としてまとめ上げようという方法論に沿ったシステムの用語。
「戯曲の構成要素の単位」とか、「俳優の身体的行動の単位」とか、「戯曲の断片(主にストーリー展開に合わせて、幕なり場なり、或いはもっと短いシーンに分割)」等、どういう見地から単位分けをするかによって様々な意味を持つ。
重要な事は「分割(=単位分け)は方便」であり、最終的には全体として再び再構築されなければならないという事です。
◆関連バックナンバー: 04/08/26配信 045号 等

−[チ]−

【注意の集中】

この用語はある種の意志的な、意識と注意の可動的な範囲とその連続性を示す意味として使われ、そのもっとも基本的な目的を俳優修業では、
俳優は、日常生活では至ってノーマルに行われることが、ひとたび舞台へ上がるとできなくなってしまうという事がしばしばある。そのほとんどは、「プロセニアム・アーチのすぐ向こう側に大勢の観客がいる」という特殊な条件のためにおこるのである。客席をそっちのけにするためにはどうすればよいか? この方法はただ一つ、その意識を全て、何か舞台の上のこと、戯曲の中のことに向け、その注意の集中を持続させることである。
として、「大小さまざまな注意の圏と、その多層性」「外的及び内的な注意」「知性に基づく注意と情緒に基づく注意」等を解説しています。

◆関連バックナンバー:04/03/09配信 030号〜


−[ツ]−

−[テ]−

【適応】

システム用語としての適応は、俳優修業で「【適応】とは、内的な、また外的な方便の事で、そのおかげで人は交際にあたってお互いに順応し、対象に対し働きかけが出来る。我々はこの【適応】と言う言葉を、『人間がいろんな関係でお互いに適合する』のに使ったり、また『ある目的を達する一助として使う、内的及び外的な人間的手段』を意味するものとして使う事にしたい」と定義されています。
『人間がいろんな関係でお互いに適合する』の方は、相手との様々な関係によって口調や態度が自然に決まってくると言うような意味で、また『ある目的を達する一助として使う、内的及び外的な人間的手段』の方は「何を如何にして」の「如何にして」の部分と考えればよいでしょう。
これも、芝居に様々な色彩を与える重要要素ですが、適応のための適応(=如何にしてだけが一人歩きして、肝心の何を(もっと言えば何を何のために)が無くなってしまう)という邪道に陥らない事が肝心です。

◆関連バックナンバー: 08/04/25配信 124号 等

−[ト]−

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